患者様へ
病理診断科
診療内容
病理・細胞診専門医により、専任の臨床検査技師(細胞検査士)の協力のもと各診療科から依頼された下記の病理診断を行っています。
- 組織診断(生検および手術材料)
- 術中迅速診断
- 細胞診断
- 病理解剖
(各診断の詳細については、下記病理検査の箇所をご覧ください。)
当院は肺がんセンターとして、肺がん手術における迅速組織診断は概ね年間100件以上、気管支鏡や胸腔鏡による肺生検は年間250件以上実施しており、肺がんの診断には実績があります。
また、筋肉や末梢神経の生検診断も多数行っています。
そのほかにも、各診療科で行われる治験や臨床研究にも積極的に協力しています。
病理検査
病理検査とは気管支内視鏡や手術で採取された組織や細胞材料から標本を作製、どのような病気であるかを診断する検査です。病理検査から病気の診断確定や病変の広がり、病気の性質が判り、治療方針や治療効果が判断されます。病理検査には「組織診断(生検および手術材料)」、「術中迅速組織診断」、「細胞診断」や「病理解剖」があります。
「組織診断」では内視鏡で病変部から採取された組織や手術で切除された組織から標本を作製、病理専門医が良性や悪性の診断や病変の進展を判定しています。病理専門医は必要に応じて免疫染色や特殊染色を行い、診断精度の向上に努めています。また、組織診断のひとつである「術中迅速組織診断」は手術中に短時間で組織診断を行い、腫瘍の転移や範囲を診断し手術を支援する病理検査の重要な業務です。
「細胞診断」は喀痰や尿などの剥離した細胞または乳腺など体表に近い病変部から採取した細胞から作製した標本を、専門の知識を有する細胞診専門医と細胞検査士が観察して、腫瘍や炎症を診断します。
「病理解剖」はご遺族の承諾の上で死体解剖保存法に準じて解剖資格認定医が解剖を行います。解剖で得られた組織から組織診断を行い、死因、病態解析や治療効果を検証することで、今後の診断や治療方法の向上に役立てられています。
近年、遺伝子技術により作製された薬を使用する分子標的治療では、投薬前に病理検査で得られた材料から免疫染色等で治療効果を予測して、診療に役立てることにも貢献しています。
これらの業務以外にも、臨床各科とのカンファレンスによる治療方針の決定や蓄積された症例を基に臨床研究を行っています。