患者様へ
薬剤部
薬剤部は、入院中の患者様により安全な薬物治療を受けて頂くために、医療スタッフと連携を密にし医薬品適正使用の推進、医薬品に係る医療事故の防止および薬物療法の適正化に貢献するとともに、薬剤師の専門性を発揮して、より質の高い医療を提供することを目指しています。
業務内容
薬剤部の主な業務内容について説明します
調剤業務
当院では電子カルテのオーダリングシステムを採用しており、医師が処方を入力すると処方箋が発行され、それに基づいて薬剤師が調剤し内外用薬品と注射薬品の調剤業務と処置用に用いる薬品を供給します。医師による処方内容について薬剤師の観点より疑問点がないかチェックし、患者さんが服用できる形態であるかなどを確認した後に調剤します。また、注射薬の調剤では投薬量や相互作用についてだけでなく、投与部位、投与速度や配合変化についても薬剤師がチェックを行い必要であれば医師に疑義紹介して、より安全かつ適切に治療が行われるようにしています。
調剤鑑査
散剤の秤量
散剤自動分包機
錠剤自動分包機
服用している薬が多く自己管理しづらい患者様などに服用方法ごとに一包化を行なうことで、飲み忘れ・飲み間違いを防ぐことができます。手が不自由でPTPシートから薬を取り出しにくい患者様でも楽に袋を開けて、薬を服用していただけます。
調剤支援ロボット
散薬調剤ロボット
全自動PTPシート払出装置
当院では、対物業務を効率化し、対人業務を推進していく目的で、2022年6月に散薬調剤ロボット、2022年11月に全自動PTPシート払出装置を導入しました。ロボットの力により安全にかつ効率的に調剤業務を行い、薬剤師は病棟での患者様との関わり、多職種との関わりを重視した業務を行っています。
抗がん剤・TPN無菌調製業務
化学療法の進歩により、多剤併用療法などその治療方法は複雑化しています。当院ではあらかじめ登録されたプロトコールに基づき、医師から提出された個々の患者様の治療計画書について、投与量、投与間隔、投与方法のチェックを行っています。抗がん剤の混合調製は薬剤部の無菌室で行っています。また無菌室では必要な患者さまのTPN(中心静脈栄養)の調製も行っています。
抗がん剤調製の様子
医薬品情報管理業務
医薬品情報管理室では、医薬品に関する多種多様な情報を収集して適切に管理しており、これらの医薬品情報により院内の医師、看護師等の診療・看護業務を支援するとともに、患者様への服薬指導等にも役立てています。また、厚生労働省、独立行政法人医薬品医療機器総合機構等の公的機関から発信された医薬品に関する情報を迅速に収集して院内各部署に伝達することにより、患者様が医薬品を使用される際の安全性の確保に努めています。
薬剤管理指導業務
入院患者様に安心してお薬を飲んでいただくため、薬剤師が医師の同意の元に定期的に患者様の病室を訪問し、使用している薬の服用方法、注意点、副作用やそれを減らすためにできることなどを説明しております。また、患者様の不安を取り除くだけでなく、薬物治療がより良いものとなるように、副作用が少なくなるように薬学的管理を行なっています。具体的には投与量の適正チェック、薬物相互作用確認、副作用モニタリングなどで、薬の中止や新たな薬の投与が必要な場合には医師に処方提案も行なっています。
治験薬管理業務
当院では治験・受託研究審査委員会の設置等の適切な管理の下で、治験等の受託研究が実施されています。そして、それらの治験薬はそれぞれ決められた手順に従い、保管、管理、そして調剤を行っています。また、薬剤師は治験コーディネーターとして、治験プロトコールに沿って、安全かつ確実な治験が実施できるよう努めています。
実務実習生の受け入れ
次世代を担う医療人の育成のため、当院では、1クール4名として年3クール、計12名の薬学実習生を毎年受け入れています。認定実務実習指導薬剤師が中心となり、丁寧な実習指導に努めています。
入退院支援センター業務
入退院支援センターの薬剤師は、入院予定の患者様に対し、入院時に持参する薬の説明や、お薬手帳をもとに服用薬・服薬状況の確認、サプリメント・市販薬服用の把握、アレルギー・副作用歴の確認などを行っています。また、手術・検査前の中止すべき薬剤の有無や休薬期間の確認を行い、治療・手術・検査がより安全に行われるよう取り組んでいます。
※当院受診される際には、お薬手帳を必ずご持参ください。
入退院支援センター業務の様子
肺がんセンターにおける業務
肺がんの薬物療法は、肺がんの種類により内服薬や注射薬(1種類または複数の種類を組み合わせ)による治療を行う場合があり、最近では非常に複雑になってきています。
肺がんセンターでは、がん専門薬剤師や外来がん治療認定薬剤師が業務を行っており、抗がん薬の副作用が早期に発見できるよう、最新情報を収集しています。
肺がんの抗がん薬治療では、患者さん毎に副作用の症状や生じるタイミングが異なります。
肺がんセンターの薬剤師は、患者さんの副作用を予防しつつ、抗がん薬の副作用が生じた場合は、主治医にお薬(吐き気止め・便秘対策など)の提案や患者さんの症状に合わせたお薬の使用方法の説明を行っています。
抗がん薬治療を受ける患者さんが、入院中だけでなく退院後もお薬を安全に使用できるよう、必要に応じてかかりつけ薬局とも連携しています。お薬に関する疑問などがありましたら、お気軽にご相談ください。
各チーム医療への参画
薬剤師も他の医療スタッフと共にチーム医療に参画しています。
NST
NST(Nutrition Support Team)では、栄養管理は全ての医療の基本であるという根拠に基づき入院中の患者さんに多職種で介入しています。食べることが可能な方は、大きさ、硬さ、とろみなどで工夫し、食欲の落ちている患者さんには食べやすいものを考え提供しています。
食べることが難しい患者さんには、点滴での栄養が必要となります。それぞれの患者さんに必要な栄養や電解質を考えた点滴メニューを担当医に提案し、血液検査や身体所見から副作用が出ていないかチェック・観察し、更に良い点滴メニューを提案しています。
また、食欲低下に影響する薬がないかの確認や、食欲を増進させる薬を担当医に提案しています。
ICT/AST
医療現場での感染予防、院内における抗菌薬の適正使用の推進を目的に活動を行っています。 カルバペネム系・ニューキノロン系・抗MRSA薬は、使用届け出制を行っており、薬剤選択の理由・抗菌薬感受性試験の結果を反映した抗菌薬の選択がなされているかどうか・投与量・投与期間の確認、週1回のカルテ回診を行っています。また、抗MRSA薬やアミノグルコシド系抗生物質において、TDM(Therapeutic Drug Monitoring:薬物血中濃度モニタリング)を行い適正使用に努めています。抗菌薬の適正使用以外にも、病院感染の発生および拡散を防止するために、院内の巡視を週に1回行っています。
緩和ケアチーム
緩和ケアチームでは、患者さまとご家族の方の、身体のつらさや心のつらさを取り除き、QOL(生活の質)の向上に努めています。薬物相互作用の確認や副作用の把握と対策、また医師の処方のダブルチェックや薬物療法に対する提案もしています。患者さまには、服用中の薬についての副作用や注意点などについて服薬指導を行っています。薬学の専門職としてのアドバイスをチーム内だけでなく、各担当病棟薬剤師や病棟スタッフにも行っています。当院では週3回チーム回診、週1回チームカンファレンスを行っています。
化学療法サポートチーム
肺がんの化学療法が有効かつ安全に行えるよう、腫瘍内科医師を中心とした多職種で患者さんをサポートしています。化学療法サポートチームが化学療法の治療を受けている患者さんの全身状態や副作用の確認を行い、必要であれば主治医に対し症状を改善するお薬や抗がん薬の投与量の変更など提案を行っています。
大阪刀根山医療センターの特色
簡易懸濁法について
簡易懸濁法とは、錠剤を粉砕して散剤(いわゆる粉薬)へと調剤する代わりに、服用直前に一定温度のお湯で溶かして投与する方法です。当薬剤部では院内に採用している錠剤やカプセル剤などすべての飲み薬について、『簡易懸濁法の適応可否』を調査しています。簡易懸濁は粉砕調剤における、与薬時の取り扱いにくさ・湿気やすさなど、そのほか様々な問題を軽減できるため、当院では簡易懸濁法を積極的に導入しています。 患者さん向けに簡易懸濁の方法をまとめていますので、ご活用ください。
吸入指導について
喘息やCOPDにおける吸入療法は大変有用な治療法ですが、正しい手技で吸入しないと効果を期待できなかったり副作用が発現したりします。当院では吸入薬を使用されている患者様が多いため、薬剤師が定期的に指導を行ない、安定した治療効果が得られるよう努めています。新規導入時の指導はもちろん、継続中の方にも個別に確認を行っています。
資格(2023.4時点)
- 日本医療薬学会 がん専門薬剤師
- 日本医療薬学会 医療薬学専門薬剤師
- 日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療認定薬剤師
- 日本臨床薬理学会 日本臨床薬理学会認定CRC
- 日本薬剤師研修センター 認定実務実習指導薬剤師
- 日本生薬学会/日本薬剤師研修センター 漢方薬・生薬認定薬剤師
- 日本臨床栄養代謝学会 NST専門療法士
- 日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師
- 日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師
- 日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師
- 日本アンチ・ドーピング機構 スポーツファーマシスト
- 日本臨床試験学会 GCPパスポート
- CPC認定薬剤師
医療従事者の方へ
- 吸入指導の要点をまとめたもの。
- 吸入指導地域薬薬連携に関して
- 簡易懸濁の要点をまとめたもの
- 採用医薬品リスト
吸入薬指導チェック表
吸入薬名 |
指導チェック表 |
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アズマネックス | ファイルはこちら |
エアゾール (フルタイド・アドエア・フルティフォーム) |
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【フルティフォーム】コメントつき | ファイルはこちら |
エアロスフィア (ビレーズトリエアロスフィア・ビベスピエアロスフィア) |
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エアロチャンバーマウスピース | ファイルはこちら |
エリプタ (レルベア・アノーロ・エンクラッセ) |
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【エリプタ】コメントつき | ファイルはこちら |
キュバール・オルベスコ | ファイルはこちら |
ジャヌエア(エクリラ) | ファイルはこちら |
スピリーバハンディヘラー | ファイルはこちら |
タービュヘイラー (パルミコート・シムビコート・オーキシス) |
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【シムビコート】コメントつき | ファイルはこちら |
ディスカス (アドエア・フルタイド・セレベント) |
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【ディスカス】コメントつき | ファイルはこちら |
ブリーズヘラー (オンブレス・シーブリ・ウルティブロ) |
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【ウルティブロ】コメントつき | ファイルはこちら |
レスピマット (スピリーバ・スピオルト) |
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【レスピマット】コメントつき | ファイルはこちら |
発作治療薬 (メプチンエアー・サルタノールインヘラー・アイロミール) |
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【メプチンエアー】コメントつき | ファイルはこちら |
薬効果説明 吸入タイミングのポイント |
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がん化学療法レジメン
がん化学療法レジメンを閲覧される方へ
- 大阪刀根山医療センターでは、外来で行われるがん化学療法のレジメンを保健医療機関・保険薬局を対象として公開しております。
- このレジメン情報の公開は適正な投与および副作用の管理を行うために提供しており、患者さん・一般の方への情報提供ではありません。
- なお、投与量や投与間隔等は患者さんの状態によって変更される場合があります。
分類名 |
レジメン |
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免疫チェックポイント阻害薬併用レジメン | ファイルはこちら |
免疫チェックポイント阻害薬単剤 | ファイルはこちら |
非プラチナ併用 | ファイルはこちら |
単剤レジメン | ファイルはこちら |
プラチナ併用レジメン | ファイルはこちら |
お問い合わせ先
〒560-8552 大阪府豊中市刀根山5丁目1番1号
大阪刀根山医療センター 薬剤部
TEL:06-6853-2001(代表)