患者様へ
放射線科 - CT装置
当院のCT装置は、2009年3月に導入された128スライスCTです。従来のCTに比べ短時間に広範囲を撮影することが可能となったため、検査時の息止めの時間が短くなり患者様への負担が軽減されました。また、高精細な画像が得られることから、微細な対象物も描出することが可能です。心臓の動きと装置を同期することにより、心臓の動きの影響を受けない画像も得られるようになりました。
赤色...大動脈、肺動脈、肺静脈 紺色...血栓 |
赤色...大動脈、肺動脈、肺静脈 青色...気管 緑色...気管支動脈 |
CTに用いられる造影剤について
造影剤を注射してCT検査することにより患者様の病気を的確に診断し、治療することが出来ます。造影剤は、CT以外の検査での広く使用されていますが、下記のような副作用の危険性があります。
- 急性副作用
- 「軽症」悪心・吐き気・じんましん・発疹(100~200人に1人)
症状は一時的なものであまり心配はいりません。 - 「重症」血圧低下・呼吸困難・意識消失など(10000人に1人)
速やかな治療を要しますが、適切に対応させていただきます。 - 遅発性副作用
- まれに検査1時間後以降に発疹などの副作用が出ることがあります。
造影剤が使用出来ない方
- ヨード・ヨード造影剤に過敏症の既住歴のある方
- 重度の腎機能障害・甲状腺機能障害のある方
造影CTは、予約検査です。事前に主治医による検査説明、問診、同意書の作成がございますので、ご協力お願いします。
Q&A
近年、原発事故に対する報道の影響もあり、CT検査時に患者様から被ばくを心配する声を多く耳にするようになりました。放射線医学総合研究所のHPを参考にまとめさせていただきます。
CT検査の被ばくは、どのぐらいなのでしょうか?
一口にCT検査と言っても撮影場所や目的によってさまざまです。その放射線の量(「線量」)は、撮影部位(頭部・胸部・腹部・全身など)や撮影方法により異なりますが、1回あたり5-30mSv程度です。
CT検査程度の線量でがんになるのでしょうか?
日本人がかかるがんについては、個人ごとで見るとほとんどの場合は何が原因でがんになったかはわかりません。しかし集団でみると、喫煙、食事、ウィルスや環境汚染物質など、一般の生活環境における要因が原因でがんになるケースが多いと考えられています。CT検査の放射線被ばくによってがんのリスクが増加すると仮定するとしても、その増加分は他の原因によるがんリスクと比べて非常に小さいと考えられます。
何度も繰り返して検査すると、がんのリスクは高くなっているのでしょうか?
理屈としては、高くなっている可能性があります。しかし、個人の健康を総合的に考えると、検査結果を元に医師が適切な医療行為をすることで、がんのリスクの増加分よりも、検査によって病気の状況がわかることのメリットの方が大きくなると考えられます。
なお、医師の判断以外による検査の繰り返し(例:患者さんの判断で病院を何度も変えて同じ検査を受けるなど)にはあまりメリットがありませんので、区別して考える必要があります。
放射線診断の便益は何でしょうか?
がんなどの病気やけがを、迅速に、正確に、見つけます。
検査全般に言えることですが、検査を受けることで体の不具合の様子(部位や程度)がわかり、適切な治療ができ、早期発見・早期治療により、完治する可能性も大きくなるという便益が考えられます。また痛みや苦痛を伴いませんし、子どもやお年寄り、病気の方にも適用できます。
被ばくを心配するあまり、検査を受けない場合には、病気やけがの発見が遅れる可能性という、別のリスクが生じます。特に重大な疾患・障害の可能性のある場合は、医師が必要と判断した検査を受けないリスクは高いと考えられます。
我々スタッフは、専門家として必要最小限の被ばくで、患者様に最大限の利益が得られるよう日々努力しておりますので安心して検査をお受け下さい。
*当院にはX線CT認定技師が2名と肺がんCT検診認定技師が在籍しております。