独立行政法人国立病院機構 刀根山病院

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第36回 日本呼吸器外科学会 学術集会の開催の報告

第36回 日本呼吸器外科学会 学術集会  会長      
国立病院機構 大阪刀根山医療センター 院長 奥村明之進



受賞

先月、5月16日、17日の2日間、大阪国際会議場において日本呼吸器外科学会の第36回学術集会を開催させていただきました。本学会の大阪での開催は初めてであり、さらに令和と言う新しい時代の最初の学術集会であり、今回の会長を務めさせていただきましたことを大変光栄に感じています。
近年の科学技術の進歩は著しく、情報工学、人工知能、スーパーコンピュータ、ロボット工学、ゲノム科学などの分野において、すさまじい速度で発展しています。外科医療でも理工学・情報工学での新規技術を如何にして取り入れて応用していくかが、今まで以上に重要な命題になります。実際に呼吸器外科診療の分野では、昨年、 Da Vinci というロボット支援手術装置が保険診療で認可され、急速に広まっています。そこで本学術集会が今後の医工連携の更なる発展や新規技術開発のきっかけとなることを期待して、『技術革新時代の呼吸器外科学』をテーマとしました。
今回の学術集会では、指定演題および海外からの演題も合わせて約1300演題の発表となり、終日、10会場で熱心な討議が行われました。手術技術ではロボット支援手術に加えて、単孔式胸腔鏡という新しい技術にも注目が集まりました。また、進行病期の肺癌に対する拡大手術では、片肺を体外に取り出して癌病巣を摘出し、残った肺を再度体内に戻すという高度な技術も多数紹介されました。また早期癌の手術においては、的確に病巣部位を特定するための術中ナビゲーションシステムも多数紹介されました。特別講演では、大阪大学基礎工学部の石黒 浩教授にアンドロイド研究についてご講演いただきました。その一方、呼吸器外科分野の基礎医学研究でも、腫瘍学、免疫学、病理学、分子生物学に関しての成果が多数紹介されました。
今回、2300人という過去最大の有料参加者数となり、盛会裏に終わりましたことをご報告いたします。
ご協力いただいた大阪大学と大阪刀根山医療センターの呼吸器外科の先生方、参加いただいた先生方、患者会の皆様、ご支援を頂いた多数の企業の方々に、この場を借りて御礼申し上げます。
受賞式

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